2026年10月、SBI証券が、こどもNISA専用で信託報酬0.00%の全世界株式ファンド「ゼロカン」を発表しました(SBI証券のプレスリリース)。楽天証券でこどもNISAを申し込んだばかりのわたしも、ニュースを見て「すごい!」と思ったひとりです。同じように楽天証券で申し込んだ人なら、こんなことが気になっているかもしれません。
- ゼロカンのために、SBI証券で口座を作り直したほうがいいのか
- 楽天証券で信託報酬ゼロの商品が出るまで、積み立てを待ったほうがいいのか
- 信託報酬の差は、実際に何円になるのか
ゼロカンって信託報酬0%なんでしょ?楽天証券のままだと損しちゃうのかな。
わが家は口座を変えていません。枠いっぱいの月5万円・想定利回り7.41%で0%の商品との差を計算してみると、18歳時点で約9万円、割合にすると1%未満でした。
ゼロカンの正式名称は「SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド」です。こどもNISAは、0〜17歳向けのNISAつみたて投資枠の通称。信託報酬は、投資信託を持っている間、ファンドの資産から毎日少しずつ引かれる運用の手数料のことです。
ただ、2歳の息子の分を積み立てる立場で考えると、気になったのは0%かどうかより、中身でした。この記事では、楽天証券で買える全世界株式との差を自分の条件で計算した結果と、口座を変えなかった理由をまとめています。差は、あなたの積立額でも計算できます。
(2026年10月時点の情報です。楽天証券の信託報酬ゼロの商品は中身が未公表なので、公表されたらこの記事を書き足します。)
楽天証券のまま、中身で選ぶことにした理由


結論から言うと、わが家は口座を変えず、子どもの分は楽天証券で全世界株式に連動する低コストのファンドを積み立てる予定です。SBI証券で作り直すことは、最初から考えませんでした。楽天証券の画面がわたしには使いやすく、信託報酬より中身を大事にしたいからです。計算してみても、差は小さいものでした。
ゼロカンとの差は、18歳時点で約9万円(残高の1%未満)
ゼロカンと、楽天証券で買える全世界株式の差を計算すると、18歳時点で約9万円でした。わが家の息子(2歳)に合わせて、次の条件で計算しています。
- 2歳から、こどもNISAの年間の枠いっぱい(月5万円)で積み立てる
- 12歳で上限の600万円に届くので、そこで積立をやめて、18歳まで持ち続ける
- 想定利回りは年7.41%(全世界株式の指数の過去の平均。将来の約束ではありません)
| 18歳時点 | 残高 | ゼロカンとの差 |
|---|---|---|
| ゼロカン(信託報酬0.00%) | 約1,341万円 | ― |
| 楽天・プラス・オールカントリー(0.0561%) | 約1,333万円 | 約8.7万円 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(0.05775%) | 約1,332万円 | 約8.9万円 |
約9万円と聞くと大きく感じますが、残高の約1,341万円から見ると、差は1%未満(約0.66%)です。1万円あたりにすると、約66円の違いです。
30歳・40歳まで持ち続けた場合の差は、このあとの表にまとめています。
信託報酬は安いほうがいい、ただし一番ではない
同じ中身なら、信託報酬は安いほうがいいとわたしも思います。ただ、今は全世界株式の信託報酬がかなり下がっているので、ゼロかどうかは、わたしにとって一番大事なことではありませんでした。
わたしが先に見たいのは、何に投資するファンドなのかという中身です。
ゼロカンと楽天証券で買える全世界株式の違い


ゼロカンはSBI証券だけで買えるファンドで、楽天証券では買えません。楽天証券で買える全世界株式の低コストなファンドは、信託報酬が年0.05%台です。表で比べます。
ゼロカンはSBI証券のこどもNISA専用で信託報酬0.00%
正式名称は「SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド」です。設定日は2026年11月17日、買えるようになるのは、こどもNISAの取扱い開始日(2027年1月予定)からとされています。
取扱いは、2026年10月1日時点でSBI証券のみ。SBI証券のこどもNISA(0〜17歳向けのつみたて投資枠)でだけ買えます。
楽天証券で買える全世界株式は年0.0561%と0.05775%
楽天証券で買える全世界株式は、次の2つで比べました。
| ファンド | 信託報酬(年・税込) | 買える証券会社 |
|---|---|---|
| ゼロカン(SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド) | 0.00% | SBI証券 |
| 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 0.0561% | 楽天証券 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% | 楽天証券ほか |
※信託報酬は2026年10月18日時点の各ファンドの目論見書・公式ページによります。変わることがあります。差を計算するために選んだ例で、特定の商品をすすめるものではありません。
楽天証券のこどもNISAで買える商品は、つみたて投資枠の対象商品に準じるとされていて、取引の開始は2027年1月の予定です。2本ともどちらも楽天証券のつみたて投資枠で買える商品なので、こどもNISAでも買える見込みです(対象商品の一覧が出たら確認します)。
18歳からはゼロカンを新しく買えない
こどもNISAで新しく買えるのは17歳までです。18歳からは、持っている分を18歳以上のNISAのつみたて投資枠(成人NISA)でそのまま持ち続けられます。SBI証券の案内では、18歳以降に18歳以上のNISAへ移っても、持っている間は信託報酬0.00%のままとされています。
信託報酬の差は何円?ツールに積立額を入れて計算


差が何円になるかは、積立額と持ち続ける年数で変わります。そこで、自分の条件で計算できるツール「その差、将来いくら?信託報酬シミュレーター」を作りました。こどもNISA以外にも使えます。


入力するのは積立額・積み立てる年数・運用する年数など
入れる項目は、次の6つです。
- 毎月の積立額
- 積み立てる年数
- 運用する年数(積み立てたあとも持ち続ける分を含む合計)
- 想定利回り
- 信託報酬A・B(0.00%、0.0561%、0.05775%などを入力。小数第5位まで入れられます)
- 「こどもNISAの上限で計算する」のチェック
初期値は、月5万円・積立10年・運用18年・利回り7.41%・信託報酬0.00%と0.05775%です。運用18年は、0歳から18歳まで持つ場合を想定した数字です。ツールは、差の金額のほかに割合も表示します。チェックを入れると、元本が600万円に届いたところで積立を止めて計算します。
年間の枠いっぱいの月5万円なら、12歳で600万円の上限に届く
こどもNISAで、税金がかからずに持てる元本は600万円までです。年間の枠は60万円なので、月5万円なら10年で上限に届きます。例は息子が2歳なので、2歳から始める前提です。12歳で積立が終わり、そのあとは持ち続けます。
ツールには、次のように入れます。
- 18歳まで:積み立てる年数10年、運用する年数16年
- 30歳まで:積み立てる年数10年、運用する年数28年
- 40歳まで:積み立てる年数10年、運用する年数38年
年間の枠いっぱい(月5万円)の例では、18歳時点で約9万円、30歳時点で約43万円の差
条件は、年間の枠いっぱいの月5万円・積立10年・想定利回り7.41%で、0%の商品との差を出しています。
| 持ち続ける年齢 | 0%の商品の残高(計算上) | eMAXIS Slim(0.05775%)との差 | 楽天・プラス(0.0561%)との差 | 割合(eMAXIS Slim) |
|---|---|---|---|---|
| 18歳まで(運用16年) | 約1,341万円 | 約8.9万円 | 約8.7万円 | 約0.66% |
| 30歳まで(運用28年) | 約3,163万円 | 約42.7万円 | 約41.5万円 | 約1.35% |
| 40歳まで(運用38年) | 約6,465万円 | 約124万円 | 約120.5万円 | 約1.92% |
18歳以降も持ち続けると、差は年数に応じて広がります。ツールの初期値(運用18年)で計算すると、差は約12.1万円、割合は約0.78%でした。
30歳で約43万円の差も、割合では約1.35%
差は、30歳で約43万円。金額だけ見ると大きく感じます。ただ、0%の商品の残高が約3,163万円なので、比べると約1.35%です。
この差のために口座を作り直すかどうかは、人によって答えが違います。わたしは変えませんでした。あなたの積立額で計算して、納得できるほうを選んでください。
想定利回り7.41%は過去の指数の数字で、将来の約束ではない
7.41%は、全世界株式の指数(MSCI ACWI、配当込み・米ドル建て)が、2000年末から2026年9月末までに1年あたり平均で伸びた割合(年率)です。円に換算したときの為替の動きと、日本で払う税金は入っていません。指数の数字で、実際のファンドの成績とは違います。
この利回りは将来を約束する数字ではなく、信託報酬の差を比べるための仮置きです。株式は値下がりして、元本を下回ることもあります。ツールが出すのは、あくまで信託報酬だけの差です。
信託報酬の差は、金額だけでなく割合でも見ます。
①ツールに自分の積立額と持つ年数を入れて、差を出す
②金額と一緒に出る割合を見る
③割合が小さければ、口座はそのまま使い続ける選択もあります
信託報酬0.00%でも、ほかの費用はかかる


0.00%は信託報酬がかからない、という意味です。ファンドを持つのにかかるお金が、ゼロになるわけではありません。
監査費用・売買委託手数料・貸付関連報酬などは別にかかる場合がある
投資信託には、信託報酬のほかに、監査報酬、株を売り買いするときの売買委託手数料、株を貸し出したときの貸付関連報酬などがかかる場合があります。これらはファンドの資産から引かれ、基準価額に反映されます。
金額はファンドごとに違います。ゼロカンのこうした費用の金額は、最初の決算(2027年11月4日)のあとに出る運用報告書で確かめられます。ツールの差は、こうした費用を含みません。
同じ指数でも、実際の成績が同じとは限らない
ゼロカンも eMAXIS Slim 全世界株式も、同じMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動を目指します。それでも、指数との誤差は商品ごとに違います。設定前のゼロカンは、実績も誤差もまだ分かりません。
0.00%だから必ず有利、とは言えないと考えています。
信託報酬0%のファンドを比べるときは、次の2つも見ます。
①運用報告書に載る、信託報酬以外の費用
②指数とのずれ(連動の誤差)
設定されたばかりのファンドは、①は最初の決算のあとに出る運用報告書で、②は運用がしばらく続いてから分かります。
口座を作り直す?楽天の信託報酬ゼロ商品を待つ?


わたしは口座を作り直しません。楽天証券の信託報酬ゼロの商品は、中身が出たら確かめます。ただ、こどもNISAの取引開始(2027年1月の予定)までに中身が出なければ、待たずに今ある低コストの全世界株式で始めます。判断に使った材料を並べます。
こどもNISAは17歳まで金融機関を変えられない
金融庁の案内でも、こどもNISAは17歳まで、金融機関の変更はできません。変えるなら、今の口座を廃止して、作り直す形になります。作り直す(解約する)と、過去にさかのぼって利益に課税される、と楽天証券の案内にあります。
わたしが楽天証券でこどもNISAを申し込んだときの手順は、次の記事に書いています。


楽天の信託報酬ゼロ商品は2026年10月9日に発表、中身は未公表
楽天証券は2026年10月9日に、信託報酬ゼロの投資信託を含む、こどもNISA専用の商品ラインアップを広げると発表しました(楽天証券のプレスリリース(2026年10月9日))。商品名、投資対象、設定日、18歳以降の扱いは、まだ公表されていません。信託報酬ゼロの投資信託が全世界株式かどうかも分かりません。
取引開始までに中身が出なければ、待たずに始める
商品が出るまで待つ、という選択もあります。ただ、こどもNISAの取引開始は2027年1月の予定です。それまでに信託報酬ゼロの商品の中身が出れば、方針に合うか確かめてから選びます。出なければ、待たずに始めます。信託報酬が年0.05%台の全世界株式がすでにあり、信託報酬はわたしにとって一番大事な点ではないからです。
信託報酬が安くても、方針に合わなければ選ばない


わが家の方針は、多くの国の会社に分散して、超長期で持つことです。安くても、この方針に合わない投資信託は選びません。
超長期で運用するので、多くの国・会社に分散する
息子の分は、超長期で運用します。期間が長いと、どの国が一番伸びるかは誰にも分かりません。だから、多くの国のいろいろな会社に投資しているファンドのほうがいいと考えました。分散がきいていない商品は、この方針に合いません。
全世界株式にしたもう一つの理由は、金融教育にも良いと思ったことです。世界中の企業や世界経済に興味を持つきっかけになるからです。
選ぶときに見るのは、投資対象・信託報酬・実績・運用会社
ファンドを選ぶときに、わたしが見るのは4つです。
- 投資対象:どの国・会社に分散しているか
- 信託報酬:同じ中身なら低いほうを選ぶ
- 実績:指数からどれくらいずれているか(連動の誤差)
- 運用会社・規模:純資産総額の大きさや、運用年数(長く運用が続くか)
まず楽天証券の信託報酬ゼロの商品の中身を見る
最初に見るのは、楽天証券の信託報酬ゼロの商品の中身です。多くの国の会社に分散した全世界株式で、わが家の方針に合えば、その商品を選びます。
方針に合わなければ eMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ
信託報酬がゼロでも、全世界株式でなく分散がきいていない商品は、方針に合わないので選びません。そのときは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を積み立てます。信託報酬が少しかかっても、全世界株式に連動する低コストのファンドを選びます。
これは、わが家の方針から選んだ結果で、ほかの人にすすめるものではありません。取引開始までに中身が出なければ、待たずに eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で始めます。
楽天証券の画面が使いやすく、夫も口座を持っているので変えなかった
証券会社を変えなかったいちばんの理由は、画面の使いやすさです。楽天証券の画面のほうがわたしには使いやすく、夫も楽天証券に口座を持っています。夫婦で同じ証券会社のほうが、わが家には使いやすいと考えました。
信託報酬の差がわずかなら、わたしは使いやすい画面のまま続けることにしました。
よくある質問
楽天証券で全世界株式を買うなら、楽天・プラス・オールカントリー一択ですか?
一択ではありません。たとえば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)も買えます。どちらもMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指すファンドで、主な違いは信託報酬(年0.0561%と0.05775%)と運用会社です。月5万円の例で、2つの差は18歳時点で約2,500円でした。どれを選ぶかは、投資対象や自分の方針で決めるものだと思います。わが家が選んだ理由は「方針に合わなければ eMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ」に書いています。
信託報酬はいつ、どうやって引かれますか?
自分の口座から請求されるのではなく、ファンドの資産から日々少しずつ引かれます。引かれた分は基準価額に反映されるので、別に払い込む必要はありません。
積み立てる途中で、商品を変えるとどうなりますか?
積立の設定を新しいファンドに変えれば、今までの分は持ったまま切り替えられます。今の分を売って買い直す場合の非課税枠の扱いは、証券会社によって案内が分かれているので、売る前に確かめてください。
まとめ:差は小さい、決め手は中身
- 0%との差は、年間の枠いっぱいの月5万円・利回り7.41%の例で、18歳時点が約9万円(1%未満)、30歳時点が約43万円(約1.35%)
- 0.00%でも、信託報酬以外の費用はかかる場合がある
- 安くても、方針に合わない商品は選ばない
わが家は、楽天証券のまま、全世界株式に連動する低コストのファンドで始めます。7.41%は将来を約束する数字ではありません。運用の結果は、これからの相場しだいで変わります。
次にやることは、2つです。1つは、「その差、将来いくら?信託報酬シミュレーター」に自分の積立額を入れて、差を円と割合で見ること。もう1つは、楽天証券の信託報酬ゼロの商品の中身が公表されたら、何に投資する商品かを確かめること。この記事にも書き足します。





